日本からハワイへの正式な移民は、横浜駐在のハワイ領事ヴァン・リードが東京や神奈川に在住の職人や農民たちから募った150人が最初となる。元年者(がんねんもの)と呼ばれた彼らは、将来への希望と共にハワイへ渡るが、現地での生活は想像以上に厳しいものであった。それ故、祖国日本に思いを馳せ、験(げん)を担いで縁起の良さにあやかる日本の古くからの風習は、ハワイにおいても変わることなく継承されていった。それはアロハシャツの文化にも大きな影響を与え、縁起物をモチーフとしたアロハシャツを好んで身につける流れが生まれていく。
この作品を手掛けたのは1940年頃、ワイキキのカラカウア・アベニューにギフトショップとして開店した「サーフライダース・スポーツウエア」。元々はホノルルのダウンタウンでペナントやエンブレム、フラッグなどをオーダーメイドで作る「ソーイング・ショップ」から始まった。その店でシャツやドレスも製作し、オリジナル・アイテムとしてワイキキのサーフライダース・スポーツウエアの店舗で観光客へ向けて販売。また、当時のハワイのブランドとしては珍しく、メール・オーダーでかなりの数量を販売していた。
SUN SURF サンサーフ
SUN SURF(サンサーフ)はアロハシャツの黄金期とされる1930年代から1950年代にかけて作られた、いわゆる「ヴィンテージ」と呼ばれるレーヨン製アロハシャツを中心に展開するブランド。1970年代に誕生し、創業から資料として収集し続けた数千着にも及ぶヴィンテージのアロハシャツを分析。「アートを着る」と言ってもいいほどプリントのデザインが主役となるアロハシャツにおいて、最大の特徴である鮮やかな発色と深みのある色合いを表現するため、抜染(ばっせん)やオーバープリントといった当時の捺染手法を再現。いまや貴重で入手困難なヴィンテージアロハシャツの魅力をより多くの人々に楽しんでいただけるよう、サンサーフでは各部のディテールにこだわり、数多くの名作を現代に甦らせている。
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